2019シーズンに向けて、浦和レッズは近年と比較すると、積極的な補強を行いました。
近年の補強がいわゆる補充と言われていたように、戦力の充実というよりも、財政健全化を優先させていたように感じている方々は少なくなかったと思います。
その反面、今回は日本代表経験者や、海外経験者や、J2所属ながら光るものを感じさせる若手選手、そして去年からのパイプを活用した外国人選手の補強などを敢行。
昨年までと比較すると、補強に概ね満足された方々も多いのではないでしょうか。
今回からは今更ではありますが、新加入選手について、考察していきたいと思います。
考察にあたっては、具体的な数字があった方が説得力が増すと思いましたので、(株)データスタジアム様の「Football LAB」のデータを活用します。
このサイトは、過去の試合から蓄積されたデータが豊富に取り揃えられているため、選手の特徴やプレースタイル等の分析、考察に優れています。
なお、反映されているのはリーグ戦のデータのみですので、カップ戦は含まれません。
初回は、恐らく今回の補強の目玉とも言えるでしょう、杉本健勇選手からです。
◼️プロフィール
セレッソ大阪の下部組織出身ですが、プロになってからは東京ヴェルディや川崎フロンターレへの移籍を経験しており、自身の成長のためには環境を変えることも厭わないようです。
更に今回はレッズへの完全移籍です。
川崎フロンターレへの移籍との違いは、それまでの実績でしょうか。
生え抜き選手とはいえ、当時は目立った成績を残しておらず、移籍でそこまで角は立たなかったかもしれません。
しかし今回は、セレッソ大阪のエースという立場からの移籍です。
セレッソサポーターからの反発も覚悟しつつ、退路を完全に断っての移籍であることから、彼の決意が見てとれます。
◼️ポジション
昨年出場した28試合では全てCFでの出場です。
レッズのフォーメーションが2018シーズン同様の3-5-2を踏襲するのであれば、2トップの一角を争うことになります。
つまり、武藤雄樹選手、アンドリューナバウト選手、怪我中ですがファブリシオ選手、そして絶対的エース興梠慎三選手との激しいポジション争いが待ち受けているということになります。
◼️特徴
上記のプレースタイルを一目見て、恐らく殆どの方が決定力の数値に目がいくものと思います笑
これは2018シーズンの、28試合出場して得点数が5という数字を如実に表しているものかと。
とはいえ、ネガティブな面をピックアップしても仕方がないので、ポジティブな面を炙り出すべく、2017シーズンのプレイスタイルも確認してみます。
両シーズンで共通しているのは、シュート力と敵陣空中戦力の高さです。
ここでいうシュート力とは、シュートのパワーとかスピードといったものではなく、「シュートの数」です。
つまり、どんな形であれ、シュートに持っていける能力が高いということを意味します。
よく、FWだけどシュートを撃てずに試合終了、って選手よくいますよね⁇
杉本選手は、2018シーズンはゴールこそ決まらなかったものの、2017シーズンから継続して、シュートまではしっかり持っていけている、ということなんですね。
また、敵陣空中戦力も非常に高いです。
比較対象として、2018シーズン、西川選手のキックターゲットとして大活躍だった橋岡選手のプレイスタイルを見てみます。
橋岡選手も相当競り勝ちまくっていたと思いますが、それでも杉本選手には及んでいません。
高身長ならではの、ターゲットマンとしての役割も期待ができそうです。
◼️チャンスビルディングポイント
Football LAB特有の、各プレーに対してのポイント(私はそう解釈しています)です。
前述のとおり、得点率が低かったため、シュートポイントがマイナスです笑
ドリブルポイントがそこそこ高いですね。
◼️最後に
元々は現役Jリーガーの中でも、嫌いな部類に入る選手でした。
2018シーズンでの橋岡選手へのキックには特に憤慨しました笑
しかし、2017シーズンに22得点を記録した得点力、187㎝という高さ、今年27歳とレッズに足りていない中堅層など、レッズの力になり得る要素を多く持ち合わせています。
2018シーズンは思うような結果を残せませんでしたが、細かい怪我を繰り返し、本調子でなかった影響もあるでしょう。
日本代表選出経験もあり、その力には誰もが一目置いています。
興梠選手の動き出しやセンスを学び、同じく新加入の山中選手の高精度クロスに合わせて得点を量産して、是非浦和レッズにタイトルをもたらして欲しいですね。
引用したFootball LABのデータについても、今後より詳しく考察していきたいと思います。
データ引用元:Football LAB