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アンドリューナバウト選手・茂木力也選手・山田直輝選手の移籍

ここ数日で、タイトルのとおり3選手の移籍が発表された。

 

アンドリュー ナバウト選手 メルボルン ビクトリーへ移籍内定のお知らせ|URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE 

 

茂木力也選手 愛媛FCへ期限付き移籍のお知らせ|URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE

 

山田直輝選手 湘南ベルマーレへ期限付き移籍のお知らせ|URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE

 

 

アンドリュー・ナバウト選手は完全移籍、山田直輝選手と茂木力也選手は期限付きでの移籍。

 

リーグ戦も折り返しを過ぎ、順位としては上も狙え、下も気にしなければならない位置にいる浦和にとって、補強等の戦力増強で巻き返しを図るべき時期とは思うが、まずは現有戦力の見極めおよび放出に踏み切ったと言える。

 

■アンドリュー・ナバウト選手(⇒メルボルン・ビクトリー)

 

オーストラリア国籍ということで、アジア枠での加入となった同選手。

 

浦和在籍期間中の成績は、全公式戦で28試合1得点と、FWというポジションでは物足りない成績に終始してしまった印象。

 

オーストラリア代表でもあり、W杯にも出場しているということで、能力が低いわけではないというのは間違いないと思うが、浦和での彼のプレーを観た限りでは、ストロングポイントがわかりづらかった。

 

特別ボールコントロールが上手いわけではなく、身体能力オバケというわけでもなく、オフザボールの動きに長けているわけでもなく。

 

ただ、前線からのチェイシングをサボらない点と、大原サッカー場にて行われるトレーニングマッチでは頻繁に得点をあげていた点から、サポーターには好印象を持たれており、結果を出してほしいと願っていた方々も多かったはず。

 

私もその一人であり、上記では少々厳しい言葉を並べたが、彼が出場した際には得点を期待して試合を見守っていた。

 

しかし、彼が入団以降、まともな攻撃戦術をもって試合に臨んだとは言い難いのが浦和の現状。

 

そんな中で、圧倒的な個を誇るわけではない同選手は、イマイチ活躍の活路を見出せなかったというところか。

 

サッカー以外の面にはなるが、外から見ていた分では、彼の人間性であれば、今後どこのチームに行っても愛される要素がある。

 

まだ20代半ばと、これからピークを迎えるであろう年齢。

 

海の向こうでの大活躍を期待。

 

■茂木力也選手(⇒愛媛FC)

 

茂木選手は浦和レッズユース出身の、いわば生え抜き選手。

 

ユース在籍後、トップチーム昇格を果たすも、出場機会に恵まれず、期限付き移籍で愛媛FCおよびモンテディオ山形に移籍。

 

愛媛や山形では概ねスタメン確保に成功。

 

2018シーズン半ば、遠藤航選手(現シントトロイデン)の移籍に伴い、山形から期限付き移籍を切り上げる形で浦和に復帰。

 

しかし、復帰後にスタメン定着とはいかず、今シーズンも先般の天皇杯、流通経済大学戦に出場したのみ。

 

ユース在籍時には、年代別の代表に選出され、U-17W杯にも出場した逸材であり、浦和の未来を託すに十分な素材だったが、スタメン確保はならず、愛媛へ再レンタルという形に。

 

上背はそれほどないものの、元々はセンターバックを本職としており、U-17W杯にもセンターバックとして出場するなど、身長面でのディスアドバンテージを感じさせない能力は持っていたはずだし、ディフェンダーのみならず、中盤をこなす器用さを持ち合わせるポリバレントさも彼の魅力の一つであった。

 

しかし、J2では出場できていたが、J1ではできないとなると、結局のところ、監督にJ1で出場できるという決断をさせられるほどの信頼を得られなかった、ということになる。

 

確か昨シーズン、槙野選手が欠場した湘南ベルマーレ戦で代役としてスタメン起用された試合では、ボールの扱いに関していえばある程度そつなくこなしていたが、肝心の守備面では心もとない印象を受けた。

 

まだ22歳と若く、移籍先の愛媛FCで出場機会を確保できれば、また浦和への復帰という選択もあるかもしれない。

 

■山田直輝選手(⇒湘南ベルマーレ)

 

多くのサポーターは、彼に浦和の未来を見たはずだし、私もその内の一人だった。

 

初めて彼のプレーを観たのは、あの衝撃的な高円宮杯全日本ユース選手権大会の決勝、名古屋グランパスU-18に9-1というとんでもないスコアで勝利した試合。

 

この試合では山田直輝選手もハットトリックを達成し、同大会での得点王に輝いた。

 

浦和レッズユース黄金世代の中心選手であり、また、トップ昇格後当初の浦和での試合や、若くして日本代表に選出され、本田選手へアシストを決める活躍を観て、これからこの選手は浦和を背負っていく選手に当然なると、思っていた。

 

しかし無事之名馬とはよく言ったもので、とにかく怪我の多さが彼の成長と、指揮官の信頼獲得を阻んだ。

 

トップ昇格初年度以降は、満足に試合出場ができず、湘南ベルマーレへの期限付き移籍を経て、再び浦和へ復帰。

 

湘南ベルマーレで多くの試合に出場し、経験値を得て、さらなる成長をした山田選手であれば、ここ数年成績の振るわない浦和において、また活躍してくれるのではないかと期待していた。

 

ところが復帰後、指揮を執った歴代監督(堀孝史氏・オズワルドオリヴェイラ氏・大槻毅氏)からの信頼を勝ち取ることは遂にできなかった。

 

最近は殆ど出場機会がなく、彼のプレーを観る機会が限られていたため、どうして彼が指揮官の信頼を獲得できなかったのか、というところは正直よくわからない。

 

しかし、浦和復帰後の2年間で公式戦出場がたったの10試合という数字からは、残念ながらかつて私たちが夢見た、彼が浦和を背負って立つ未来というものは、霧散してしまったと言わざるを得ない。

 

今回の移籍に際し、山田選手がリリースしたコメントを見る限り、期限付き移籍という形ではあるものの、凡そ復帰の可能性はないように思える。

 

移籍先の湘南での背番号は10番。

 

彼は浦和ではなく、湘南の未来を背負って立つことになるのかもしれないが、それでも私は彼を応援する気持ちをこれからも持っていると思う。

 

頑張れ山田選手。