ちょっと一息。
番外編として、最近集めているサッカー漫画、アオアシのレビューを。
これまでの記事をご覧になっていただいている方にはお見通しだが、私はサッカーが大好き。
だけど、これまでサッカー漫画は全くと言っていいほど読んだことはなく、キャプテン翼も読んだことはなかった。
勿論、サッカー部所属だからと言ってサッカー漫画を読むものでもないとは思うが。
スポーツ漫画では「SRAM DUNK」だけかな、読んだのは。
そんなこんなでこれまではサッカー漫画に縁遠い生活を送っていたが、最近になり読書なり資格勉強なりでそれなりに休日も負荷をかけている関係か、多少なりともリフレッシュしたい時間ができる。
その時に、これまで読んでいなかったサッカー漫画に手を出してみよう!と思い立ったのが読むキッカケ。
そして現在読んでいるのが「アオアシ」である。
あらすじ等は端折るので、ご自身で読んでいただくとして笑
結構ハマってる。
単行本でしか読んでいないが、既に最新巻を読み終わってしまったため、次の単行本が出る9月を楽しみに待っている。
アオアシは最近のサッカー漫画の中では高評価であり、2017年マンガ大賞第4位にも輝いている。
この漫画、以下記載の他のサッカー漫画とは違った部分を描いているのが人気の秘訣とみる。
①物語の舞台が「Jユース」であること
②主人公のポジションが「サイドバック」であること
まず①について。
サッカー漫画の舞台と言えば、高体連のサッカー部が舞台となり、例えば弱小校から主人公を軸として全国の舞台へのし上がる、というのが通例かな?(読んだことがないので自信はないが)
だがこのアオアシは、プロサッカーチームが所有している、いわばJリーガーの卵が所属する下部組織、Jユースが舞台なのである。
一般的な名称としては、「〇〇ユース」とか、「〇〇U-18」とか表現されるアレ。
そこに所属しているのは、Jリーガーの卵と表現した通り、選ばれたものしか入団することを許されない、所謂サッカーのスーパーエリート達。
先述の通り、高校サッカーを舞台とし、血と汗と涙の努力により、全国の並み居る強豪たちに挑む、というようなストーリーとは、そもそも舞台が違うということだ。
むろん、読者に配慮し、Jユースの位置づけだとか、組織だとか、サッカー用語や先述の解説だとかも挿入されているため、サッカー経験者でなくても読みやすいように構成されている。
次に②について。
これは初見時にはたまげた。
そして当初は正直ちょっと萎えた。
物語当初はFWなのだが、Jユース入団後しばらくしてから、監督にサイドバックに転向しろと告げられる。
しかもそれを拒否すれば、戦力にならない者はチームには置いておけないとまで言い放つ。
当初はこのシーンを読んだとき、その残酷さと、主人公がディフェンダーになるという事実に少々がっかりした。
それこそが、筆者の狙いだったのだとは思うのだけれど。
それまでの流れは、主人公が著しい成長を見せていたため、2軍から1軍へ上がれる可能性がかなり高い、と多くの読者は予想していたのではないか。
からの、「ディフェンダーに転向しろ」だからね。
これからの主人公のFWでの活躍を楽しみにしていた読者には、非常に唐突であり、衝撃の展開だったはず。
補足すると、主人公は「点を取ることこそが自分の全て」と考えるほどに、FWというポジションにプライドを持っている。
それが全く逆のポジションに配置転換され、それを拒否ればチームから追い出される。
その心のダメージたるや、想像を絶するものがある。
だけど、主人公の「サッカーに対してひたむきに努力を欠かさない」姿勢が、読者を離さないのだと思う。
最新巻では、それが行き過ぎてちょっと「危うく」なってきているんだけど。
サッカー以外のことは何も考えられない、何も見えないという、SRAM DUNKでいう谷沢君の話を聞いた後の流川みたいな感じ。
多分、次節の試合でそれに多少なりともブレーキがかかるのではないかと予想しているんだけど。
ただ、そういう姿勢に読者は惹かれるし、自分も頑張ろうと思えるからね。
自然と読者も主人公に感情移入すると思う。
その他では、主人公以外の登場人物も個性的だし好きかな。
今のところ、コイツ嫌い!っていう登場人物いないし。
強いて言えば阿久津はちょっとやりすぎだと思うけど笑
こんな奴が現実にチームにいたら間違いなく一体感生まれないし、監督・コーチ陣も放っておかないと思うけど。
あとはわりかし描写が現実的なところも好印象。
変な技とか出てこないし。
時たま「その姿勢からそっちの足で蹴るのはおかしくない?」というシーンもあるけどね。
まぁ漫画だし、許容範囲かな。