前回の記事で不要となった書籍は売却すると書いたと思うけど、メルカリってバカにならないよね。
書籍を購入した資金を、多少なりとも回収できる手段として。
BOOKOFFで売ると、たったの5円~10円ぽっちになってしまうけれど、メルカリで売れば、手数料を除いても、大抵は300円以上で売れる。
梱包や郵送作業の手間や、梱包資材費もかかるという難点はあれど、今は近くに郵送できるコンビニもあるし、梱包資材もDAISOで購入すれば安上がりで済む。
また、購入時にはどこかへ出向かなくても、自宅のポストに郵送されるため、その手間も省ける。
読書家にとって、良い書籍の循環機構になっているよね。
唯一の懸念は、私の好きな浦和レッズのサポーターが、恐らく1,2を争う嫌いなチームとして挙げられる某赤いチームのスポンサーなところかな…笑
この手数料があちらさんのチームの一助となっていると考えると複雑な気分だけど。
便利だからしょうがないね。
さて、雑談が長くなったところで、今回の書籍、告白。
愛娘を事故で亡くした教師の森口が、担任をしているクラスの生徒へ話し出すところから物語は始まる。
冒頭は関係のない話から、段々と娘を亡くした話へと移る。
森口は、娘は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたのだ、という。
森口は犯人を分かっているものの、諸事情のため警察には言わない。
その代わり、私刑を彼らに与え、学校を去るところで彼女の視点は終わる。
この書籍は、事件に関係する人達の視点から、今回の事件の真相を明かすことになる。
他の視点は、事件の加害者、渡辺と下村、下村の母親、森口のクラスの生徒の北原、最後に再び森口となっている。
舞台は基本的に学校、中学校となるのだけど、この年齢を選んだのは秀逸だね。
渡辺は家庭の事情ももちろんあれど、中学生という多感な時期、思春期だからなのか、特に性格に難がある。
自分以外の生徒を完全に見下し、両親の離婚のせいで会えなくなった母親のために森口の娘を殺害しようとし、終盤は学校に爆弾を仕掛けて大量殺人を目論むという超危険人物。
まさに中二病をこじらせた、って感じ。
実際中二だし。
下村は、渡辺に誘われて事件に加担し、最終的に森口の娘を直接殺害することとなってしまった。
彼は家庭環境があまりよくなかった。
貧乏とか家庭内暴力があったとかではないが、過保護にされすぎたことと、母親が自分本位過ぎたね。
愛されてはいたけど、特に何かに秀でているわけではないから、自信を持てない。
だけど、テニスや塾も、能力の頭打ちが見えてくると、諦めてやめてしまう。
そして、渡辺が殺し損ねた森口の娘を、彼が失敗したことを自分は成功させた、と自己満足させるために、プールに沈めて殺害。
ただ、その心の弱さや、森口の策略により、最後は自らの母親を殺害するという結末に。
いざ書き起こしてみると、彼は2人も人を殺しているんだな…。
でもこれも彼の甘え、そして彼の家庭が招いたことかな。
彼の母親はとにかく息子第一。
息子が不登校になり、少しずつおかしくなっていっているにもかかわらず、意外と我慢強く接する姿は同情したが、結局は彼女の過保護さゆえ、息子に手をかけられた。
ただこの親にしてこの子あり。
下村の姉も、彼の殺人について、非はないと思っているようだ。
おそろしや。
さて、ラストは渡辺が学校に仕掛けた爆弾を、森口が解除。
それを、彼の最愛の元母親が勤務する大学へと移動、設置し、それを知らない渡辺が爆弾を起動。
最愛の元母親を自らの手で殺害させるという、鬼の所業で幕を閉じる。
最初こそ、因果応報、天罰ということで、爽快と思ったけど。
ただ森口は、渡辺に向けて、「自己満足のために他人を殺害するのか」という旨の発言でいさめている。
けど上記のとおり、彼女にとっては関係のない他人を間接的に殺害している。
もちろん、最愛の娘を殺された(渡辺には間接的にだけど)という背景はあるにせよ、その言葉は自分に跳ね返るのではないのかなと。
まぁ最後には、「これが本当の復讐」と言っているから、もはや物語当初に言っていた、子供を守る気はなくなったんだろうね。
渡辺が暴走しなければ、こんなことはしなかったんだろうけど…。
けど全体的に、各章のラストは衝撃の展開があるから、楽しめて読めたな。