前作の「ストロベリーナイト」がとても面白かったので、続編もということで。
姫川玲子シリーズの第2作、ソウルケイジ。
前作の登場人物は、基本的に続投。
もちろん、殉職した大塚は除く。
今回は、前作でいい味を出していたガンテツこと勝俣は登場せず。
残念。
だけどそれ以外の面々の人間関係は相変わらずで、今作は事件が結構複雑だから、それよりも人間関係を楽しんでいる自分がいた。
井岡は相変わらずそこかしこに登場して、殺人事件で陰鬱となりがちな物語の、もはや清涼剤として良い働きをしている。
前回では影が薄かった、玲子の同僚の日下の活躍、そして描写が多め。
玲子とは正反対の操作方法で、とにかく予見は誤捜査の元になるということで徹底的に排除し、ひとつひとつの可能性を虱潰しにしていくスタイル。
こちらが主人公だったら、あんまり人気は出なかったかもね笑
いや、優秀ではあるんだろうけど、性格が少々神経質というか皮肉屋とでもいうか。
まぁ前作今作読んでみて、実際のところはどうなのかは不明だけど、警察のこういう刑事課っていうのかな、殺人事件を取り扱う部署は。
こういう所はいわゆる男社会、って感じがするから、その中にいる紅一点、玲子に対して、どうしても男のプライドというものがあるのではないのかな。
玲子の部下はともかく、彼女の上司だったりだとか、同僚だとかはとにかく一癖も二癖もある。
玲子の実力は認めていつつも、素直にそれを認めて褒めたたえる、ということは稀であり、基本的には罵り合いながら、成果を我先にと争っている。
それは、男のプライドからくるものなんじゃないのかな。
そして玲子に上に立たれるのなんてさらにまっぴらだろうから、邪魔しつつ成果を独り占めする。
出る杭は打たれる、ってやつかな。
でもだからこそこのシリーズは面白い。
玲子がそれをどうやって出し抜こうとするのかが面白いからね。
今回は日下の刑事以外の側面も描写されていて新鮮味もあった。
ご家庭を持っていらっしゃったとは笑
そんな彼も息子に色々と問題があり、気苦労は絶えない様子。
日下にも人間味を感じさせる描写を忘れないところ、流石だね。
3作目はラストなのかな。
どんな結末が待っているやら楽しみ。