和製コルドバが追いかける、赤き血のイレブン達。

浦和レッズと読了書籍についてマイペースに綴ってまいります。

【書籍レビュー】【ネタバレ有】「1作目の感覚がやっぱり好き」ブルーマーダー

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今作は前作とは一転、1作目のようなワクワク感が戻ってきた。

 

純粋に事件を追いかけ、かつ周囲の同僚達に振り回されながらも、それを巧妙に利用、またかわしながら事件の真相に迫る姿は見ていて気持ちよかった。

 

前作のラストで姫川班はバラバラになり、姫川は池袋署へ異動となり、部下達もそれぞれ別の所轄へ。

 

今回、かつての部下で登場するのは菊田だけ(その他の部下は文中でどこに異動となったか触れられるだけ)。

 

また、その菊田の関係性も微妙なものとなっている。

 

かつての部下というだけではなく、当時は恋愛関係に発展していきそうな仲であったし、前作ではそれが前進しそうな出来事もあった。

 

しかし、姫川はあろうことか反社会的勢力に恋心を抱いてしまい、ラストでは菊田にそれを悟られるような言動をしている。

 

仮に姫川班が解体されていなくても、その後の関係性は非常に気まずいものになったとは思うので、逆に異動で顔を合わせなくて済むのは僥倖だったかもしれない。

 

だが今作では、2人の所轄エリアに関連する事件が発生するため、捜査中に邂逅することもあり。

 

そして実は菊田がその後に結婚していたという事実。

 

いや、双方両想いであることは気がつきつつ、でも恋人関係にはならずに結局はどちらかの気持ちが離れていく、というケースはよくあるからね。

 

ただ自分が姫川だったとしたら、非常にやりきれない気持ちになったと思う。

 

相手も傷つけたことになっただろうし、かつそのままそれぞれ異動になり、相手は知らない間に結婚していた…。

 

後悔先に立たず、という言葉がよく似合ってしまう結果になっている。

 

だがそこは姫川、その後の会議で多少菊田のことに思いを巡らせるシーンはあっても、そこまで引きずっている様子ではなかった。

 

このように、今回の姫川は1作目の通り、「強い姫川」のシーンが多かったので、私は楽しめた。

 

ガンテツこと勝俣も大活躍。

 

今回の一連の事件を引き起こした犯人に殺害されそうになった同僚を救った。

 

ガンテツは1作目で姫川を救っているし、今作でも同様の活躍。

 

口は悪いし、捜査方法はエゲつないけれど、しっかり結果を出すところが憎らしい。

 

勿論、姫川とやりあいも復活。

 

この2人は犬猿の仲であるものの、観ている側からすればいいコンビである。

 

また、今作では姫川がガンテツの一歩上を行き、彼から遠回しに認められたような発言をされている。

 

このシーンはいいよね。

 

彼女が紆余曲折あれど、前進し「成長している」ということが描かれたわけだから。

 

現実世界でも、成長しているという実感があれば、モチベーションって上がるし、もっとやってやろうという気持ちになる。

 

だけど、成長を実感できないと、今やっていることが果たして正しいのか疑心暗鬼にもなってしまうし、歩みを止めてしまいがち。

 

だから、今作で成長が明確になるシーンが描かれて嬉しかったな。

 

そしてラストでは、立てこもり犯人に捕らえられてしまった菊田を姫川が救い出してめでたしめでたし。

 

救出の場面では、自らが過去にレイプされた被害にあったことを曝け出している。

 

そこには勿論、人質となった菊田もおり、彼にその過去を打ち明けたことになる。

 

このシーンは、裏切って傷つけてしまったかつての部下への贖罪という意味で描かれたのだろうね。

 

ラストも、姫川と菊田の関係性をスッキリ解消するような終わり方となっており、今作は1作目に匹敵する満足感だった。