サッカーフランス代表、現在リーガエスパニョーラのバルセロナ所属、アントワーヌ・グリエーズマン選手の自伝。
彼はズラタン・イブラヒモビッチ選手やルイス・スアレス選手のように、試合中に自らをコントロールできない瞬間がある問題児という世間からの評判はなく、この書籍の端々でもそれが読み取れる。
試合中でも、彼は微笑みを欠かさないようにしている。
個人的には、それは素晴らしいことだと思う。
試合中ってことは、私達でいえば仕事中、ということであって。
その中で、例えば上手くいかないことがあったり、相手選手との衝突があったりすると、どうしても熱くなってしまう可能性は非常に高いと思う。
アドレナリン出てるし、特に相手選手からの口撃も考えられるから。
そんな時に、常に微笑みを絶やさないということは、メンタルコントロールがしっかりできているということだし、戦況を冷静に見つめられる力があるということ。
熱い選手というのは、得てしてサポーターから好まれるし、逆に冷戦沈着でいる選手は、「やる気がない」「ヘラヘラするな」と言われがち。
ただ私は、現役時代には後者であったし、どちらに共感が持てるかということであれば、グリエーズマン選手の方だ。
最近は、そういう考え方も少し変えた方がいいのかもと思うことはあるけどね。
いつでも冷静沈着でいるより、感情を表に出して仕事をした方が得することもあるだろうし、仕事のパフォーマンスが良くなることもある。
要は使い分けなんだろう。
私の尊敬する先輩は、それをしっかりと実践できていたから。
それを自分にも反映させていきたいね。
東邦出版は、本著以外にも、かの「ズラタン・イブラヒモビッチ自伝」や「スティーヴン・ジェラード自伝」も翻訳しているけど、今作はちょっと翻訳が分かりづらかったな。
イメージで言うと、Twitterで外国語を翻訳したときに表示される、直訳してしまって意味が少々わかりづらいというアレ。
フランス語は難しいとは言うけれど、それの関係かもしれないね。
常に比較対象となってしまうけど、イブラヒモビッチ選手の自伝については、言葉が強烈で印象に残りやすかったから、それと比べるとどうしても平凡な印象になってしまうね笑
けど、彼も小さいころから異国に旅立ち、両親と離れて暮らし、プロサッカー選手を志し、それを実現させた。
必ず夢を実現させるという強い意志は、試合中のメンタルコントロールに関係なく持っている。
その意志の強さを、自分も持ち続けたい。