しばらくお休みしてしまった読書、三毛猫ホームズシリーズ。
またシリーズ順に読んでいこうということで、今回は三毛猫ホームズの駈落ち。
とある地域でいがみあう片岡家と山波家。
片岡家の長男義太郎と、山波家の晴美が駈落ちし、失踪。
それから12年後に、片岡家の末弟と山波家の一人息子が刺し違えて死亡するところから、物語はスタート。
細かい内容は省略するが、そこから山波晴美の夫が殺害されたり、彼女自身も殺されそうになったり、片岡義太郎の妻も殺されそうになったり…。
いわゆる遺産目当てと思われる殺人事件および未遂事件が連続発生。
終盤、義太郎と晴美について良く知っている倉持医師が犯人だと自供するも、それは真犯人に名乗り出てほしいという思いからの偽証。
ただ結局、真犯人からの自供はなく、またもやホームズのお手柄で、片山晴美が真犯人の片岡義太郎と、共犯者の田所久子(片岡家末弟の恋人)の密会を聞き、彼らの犯行であることを知ってエンディングへ。
片岡義太郎は、心が弱い人間で、そのために山波晴美とも結局結ばれなかったし、今回の事件を起こしてしまった。
三毛猫ホームズシリーズは、結構女性が活躍する、また強く描かれる傾向があるかな?
この回だけかもしれないけど…。
今回は、ホームズ・片岡晴美・(共犯者だけど)田所久子も強い女、という感じ。
一方、片山義太郎はいつものことだが、石津も晴美には骨抜きだし、犯人の片山義太郎は弱い人間だし…笑
まぁ今回は、女性というより、「母は強い」ということを言いたかったとすれば、頷けるところもあるか。
個人的には、片山義太郎にもっと活躍の場が欲しい。
いや、彼のあまり強くないところが、この作品の肝ではあるんだけどね。
女性恐怖症だし、妹の晴美にはよく馬鹿にされてるし、頻繁に転んだり気を失ったりしているし。
彼のそんなところがこの作品の清涼剤で、思わず吹き出してしまうところに繋がっているのは間違いないし、ほっと一息できる小説になっている。
けど、たまには報われてほしいと思うのが、私の心情笑
次の作品では、活躍できるかなぁ。