孫子と言えば、世界史に疎い私でも聞いたことがある。
ただ私は、孫子というのが人名だと思っていたけれど、どうやらそうではないらしい。
孫武という中国の軍事思想家の兵法書が孫子なんだとさ。
世間一般の常識、ということであれば非常に恥ずかしい笑
さて、そんな孫子の兵法を仕事に活かそう!と考えた齋藤氏による本著。
確かに、戦争・戦闘に勝つ、ということと、仕事において競争先に勝つ、ということは似通っている。
そのため、勝利の方程式を説いた孫子の兵法と、仕事における心がけが似通っているというのも道理である。
孫子は、とにかく情報を重要視している。
「彼を知り己を知らば、百戦して殆からず」とは、彼の代表的な言葉のひとつ。
自分ができること(=できないこと)を知り、また相手の情報(兵数・地形・攻撃方法等)をしっかりと把握すれば、それに伴って相手に勝つための戦略を立てられ、勝利を得られるということ。
これと似た考え方としては、クリムゾンの迷宮(貴志祐介氏)が挙げられる。
知らない土地に連れてこられ、その土地の気候・動物や昆虫の生態など何もわからない状態で行われるサバイバルゲームにおいて、主人公が生き残れたのは、「武器」「食糧」といった形あるものではなく、「情報」という形のないものを選択したからであった。
現代社会も、情報であふれているとはいえ、その真偽はしっかり自分で確認しないといけない。
その上でそれを有効活用、相手に勝つための戦略を練り、実行することが大切だ。
また、いかに戦略的判断を下せるか、の重要性も説いている。
これは、勝利を得るために、感情論を捨てて判断・行動できるかということ。
孫子では精神論や感情論は是とせず、あくまで客観的情報に則って冷静(冷徹)な判断を下せるか。
人間誰しもが、感情に支配されている。
それを排除して、勝利のために割り切って行動する。
例えば、合わない同僚や先輩後輩がいたとしても、転勤のある会社であれば長くてもせいぜい3年4年の付き合いだ。
AKB48の作曲・作詞家でも有名な秋元康氏は、とにかく売れたものに関しては感情を排除してリスペクトする気持ちを忘れないらしい。
その上で、ヒットした理由や背景を調べたり考えたりすることで、自分の仕事に繋げているのだとか。
偏見を持って接してしまうと、成長の機会を失ってしまうことにもなりかねない。
中々難しいかもしれないけど、フラットな目線を持つことは大切かもしれないね。