和製コルドバが追いかける、赤き血のイレブン達。

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【書籍レビュー】「久しぶりに身の毛がよだった」マーダーハウス

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今回はタイトルからして危険な香りがプンプンのこちら。

 

結論から言うと、ラストのホラー展開には久しぶりに身の毛がゾワッとよだったよ。

 

舞台は鎌倉。

 

新潟から上京した新大学生の主人公である理佐は、新居としてサニーハウスというシェアハウスに入居することを選択。

 

そこは、セレブの様な豪華な外見と設備、それにもかかわらず格安な賃料と破格の条件。

 

サニーハウスの住人達もイケメン・美女揃いであり、交通の便が悪いことを除けば、何不自由ないところであった。

 

しかし、同居人であった鈴木の死を皮切りに、同居人の死や卒業が発生。

 

また、部屋にいても誰かから見られている様な感覚を覚えたり、誰かが部屋に侵入した形跡があったり、快適な日々から段々と落ち着かない、陰を落とした日々となっていく。

 

理佐は、かつて故郷の新潟で親しい仲であった高瀬に相談。

 

高瀬も理佐の相談を受け、実際にサニーハウスまでやってきて真相を探る。

 

高瀬は不動産屋の実態がないことや、別荘としてこのサニーハウスを建てた老夫婦のことを調べ、真相まで近づくのだが…。

 

物語はバッドエンドであり、真相は掴めるものの犯人は罰を受けることなく、犯人以外の同居人は全員死を迎えてしまう。

 

ラストは例えるならば、「かまいたちの夜」や「そして誰もいなくなった」のように、閉鎖空間で互いに疑心暗鬼状態に陥ってしまい、主人公も同居人であるカズを殺害してしまう。

 

ホラーにはお決まりの、急な停電による恐怖もあり。

 

犯人であるヨーコの動機も正気のものとは思えず、過去に失ってしまった家族をサニーハウスで再現したかったため、ヨーコの意にそぐわない人物は殺害して排除し、新たな入居者を募ることで補充をしていた。

 

理佐はヨーコの騙し討ちを受けて殺害されてしまい、助けに来た高瀬も描写はないが、ヨーコの手にかかり殺害されてしまったものと思われる。

 

結果的にヨーコは、理佐が殺害してしまったカズ以外の6人を殺害。

 

理佐と高瀬も含めれば計8人を殺害。

 

エピローグで次の入居者を募集するため、サニーハウスの資料を作成しているところで幕を閉じる。

 

話は面白かったが、特にヨーコの犯行にはクエスチョンマークがつく部分多数。

 

鈴木を殺害した時は、部外者であるものの大学のトレーニングルームに無断で入り、「応援しに来た」で済ませているのは流石に怪しすぎる。

 

綿貫とエミを殺害した後の死体の処理にしても、シェハウス敷地内のプレハブ小屋に運んだようだが、果たしてハウス内で殺害後に、女性一人で大人2人の死体を、同居人に気がつかれずに果たして運べたのか。

 

羽佐間殺害時にも、わざわざ庭の木に自殺を装って吊るしているが、女性一人でできる芸当なのだろうか。

 

また、直前にはカズとヨーコはリビングで一緒に会話をしているし、羽佐間は自室に戻っていた。

 

いくらヨーコがマスターキーを所有していたからと言って、短時間で、カズや理佐に気がつかれずに羽佐間を殺害し、庭まで運んで吊るせたかと言われると疑問符はつく。

 

警察もサニーハウスのプレハブ小屋調べないんかい!

 

などなど、結構突っ込みどころは多いけど、ラストの怖さは中々のものだったので、個人的には満足。