多くのレッズサポーターが願ったであろう、彼の残留は、残念ながら叶わなかった。
現在発表されている移籍情報では最後となるが、江坂選手が蔚山現代FC(韓国)へ完全移籍することが決まった。
江坂選手がレッズに移籍加入したのは、2021シーズンの半ば。
そして今回の移籍となったため、結果的にレッズの在籍は1年半程度と、かなり短期間となった。
江坂選手は在籍中、特にタイトルの懸かった試合でゴールをあげてタイトル獲得に貢献してくれた。
2021シーズンの天皇杯決勝、大分に勝利した試合の先制点は江坂選手だった。
また、2022シーズンのゼロックススーパーカップでは、川崎相手に2ゴール。
王者撃破を成し遂げる大活躍で、レッズに歓喜をもたらしてくれた。
2021シーズンのリーグ戦については、PKでの得点も多かったが、16試合に出場して5ゴール1アシスト。
2試合に1点のペースで得点に絡む活躍だった。
このままレッズに長く在籍してくれるかと思ったのだが…2022シーズンは江坂選手にとって、難しいシーズンとなった。
試合出場時間1,939分、ゴール数2、アシスト数1は、いずれも江坂選手のプロ生活の中で最小。
シーズン序盤~中盤は不動のスタメンとして、先発に名を連ねることが多かったが、終盤になると小泉選手がスタメン出場することが多くなり、江坂選手がベンチ外となる試合もあった。
今シーズンは特に、不用意なボールロストが目立った印象がある。
江坂選手はサイドプレーヤーではないので、ピッチの中央でボールを受けることが多いため、必然的に相手のプレッシャーを360°から受けることとなる。
昨シーズンまではそれを上手く交わせていたが、今シーズンはそこでボールを失ってしまい、相手の攻撃の起点となってしまっていた様に思う。
数字でそれが表されていないため、イメージかもしれないけど。
ゴール数も2と寂しい数字であり、湘南戦のゴールはとても綺麗なゴールであったため記憶にも残っているが、あとの1ゴールは清水戦でのPK。
以降は基本的にショルツ選手がキッカーを担うこととなったため、江坂選手のゴールはこれが最後に。
コンディション不良、もしくは戦術との嚙み合わせが最後までしっくりいっていなかったようだった。
それでも、江坂選手を失うことは3つの意味で非常に痛い。
まずトップ下のポジションが小泉選手しかいなくなるため、競争相手、また彼が負傷した時の代役が不在となる問題。
次に、スペースがある時にはよく同時に出場していたユンカー選手へのパス配給役が不在となる問題。
そして安心できるPKキッカーが一人いなくなる問題。
これは地味に痛い。
レッズ在籍中にPK失敗はなかったはずだし、AFCチャンピオンズリーグ準決勝のPK戦でもしっかりと決めてくれていた。
基本はこれまで通りショルツ選手がキッカーとなるはずだが、彼が仮に不在となった場合に誰が蹴るのか?
…正直、既存の選手達の内で、彼なら間違いない!と思える選手はいないかな…。
さて、報道レベルでは他チームへの移籍の噂はまだ何人かの選手にも燻っているが、公式発表はなし。
このまま何も発表されることなく、シーズンインしてほしいなぁ。