雑感
[試合前]
アウェイの第1戦からの変更点は、馬渡選手⇒髙橋選手のみ。
髙橋選手はレッズ移籍加入後、出場はルヴァンカップ湘南戦のみで、その試合も前半早い時間帯に負傷で途中交代となったが、この大一番で抜擢された形に。
恐らく、前線からのディフェンス、身体を張ったプレーで味方を助けることが期待されての選出かと思われる。
[前半]
第1戦同様に、アルヒラルがボールを保持し、レッズは守備網を敷いて待ち構える戦法。
むろん、ただ引いて守るだけではなく、1トップの興梠選手とトップ下の小泉選手が、相手のパス回しのコースを消しつつ、チャンスがあればボールホルダーに果敢にプレス。
高い位置でボールを奪い切り、あわよくば得点に繋げようという狙いが透けて見える。
ただこの日は、あいにくの強風という環境。
前半は風下となったレッズは、どうしてもクリアが押し戻されるほか、ボールを奪っても繋げずに失ってしまうことが多く、押し込まれる展開。
第1戦同様、96番のドリブルが相変わらず脅威になっていることに加え、中盤で先発した19番も個人技に秀でている。
ドリブルでの突破、体幹の強さを活かしたボールキープ、広い視野から繰り出されるパスなど、レッズを苦しめる。
特に酒井選手を吹き飛ばして左サイドを駆け上がったシーンは脅威を感じた。
ちなみにこのシーンでは、ファウル覚悟で突破を阻止した大久保選手にイエローカードが提示されており、カードトラブルにも気をつけたいところ。
少なくとも1点は得点しないとトータルスコアで敗戦となるアルヒラルは、とにかく前へと圧力を強める一方、その分後ろは手薄になりがちであり、レッズはその隙をつく。
前半30分には、右サイドでのスローインの流れから、伊藤選手⇒酒井選手へのパスが通ると、酒井選手が相手選手をドリブルで交わしてクロス。
興梠選手がフリーで合わせる大チャンス!…も、シュートは無情にもバーを直撃して枠外へ。
酒井選手のクロスが若干高かった分、興梠選手のシュートも叩きつけるのが難しかった。
それでも、あのボールをしっかりとミートできるところが興梠選手のシュートセンスの高さ。
レッズの好機はこの1本。
アルヒラルに押し込まれる時間が長かったが、本日は特に西川選手が抜群の安定感。
強風というコンディションながらもハイボールの処理は完璧。
また、相手選手の強烈なシュートも身を挺して弾き返し、前半を耐え忍んで無失点で折り返すことに成功。
[後半]
メンバー交代なく開始された、最後の45分間。
レッズは48分にいきなり大きな先制点。
ゴールから遠い位置でのFKを岩尾選手が蹴り出すと、マリウス選手が中央へ折り返すヘディング。
興梠選手がこれに飛び込むも届かないが、ボールはそのままゴール方向へ。
最後は19番が触って記録上はオウンゴールでレッズが先制点!
ただ、アルヒラルは最低でも1点は得点しないと敗戦であることは変わらないため、失点後も得点を目指して攻勢を仕掛けてくる。
96番のドリブルは、いわゆる「わかっていても止められない」系。
後半はレッズの右サイドに張り出し、カットインから右足でシュートもしくはクロスでチャンスを創出していた。
そこから度々危険なシーンを作られるも、最終ラインが中心となり、得点は許さないレッズ。
72分には、特に守備面で多大な貢献をしていた反面、体力の消耗が激しい興梠・小泉両選手に代えてカンテ選手と安居選手を投入して強度の維持を図る。
74分にはそのカンテ選手が起点となりカウンター発動。
右サイドのスペースへ駆け上がった大久保選手へラストパスを通すが、シュートは大きく枠上へ。
74分には、左サイドを関根選手と伊藤選手のパス交換で突破。
伊藤選手が距離のある位置から豪快に右足を振り抜く。
一瞬、決まったかと思われるほどの見事なシュートは、僅かに左に外れサイドネットへ。
86分には、伊藤選手と関根選手に替えて、柴戸選手と荻原選手を投入し、最後の逃げ切り体制へ。
アルヒラルも容赦なくレッズ陣内へボールを放り込み、なりふり構わずに得点を狙う。
試合終了間際にはペナルティエリア内で9番に際どい一発を浴びるが、西川選手の鬼気迫るセーブで失点を免れる。
そのまま集中を切らさず逃げ切ったレッズ。
Jクラブでは前人未到の3回目のアジア制覇を達成!
[試合後]
第1戦同様に我慢の展開となったが、第2戦のほうが胃が痛くなるようなシーンが多かった。
それでも、守備陣の強度と網は終ぞ破られず。
ほぼサウジアラビア代表&強力外国人を揃えたアルヒラルを破っての3度目の戴冠は本当に誇らしい。
本当におめでとう。
この試合を観た選手がレッズに来たいと思うこと。
この試合を観た人がまたレッズの試合を観たいと思うこと。
この試合を経験したレッズの選手が、この経験を活かして更に高みへ上りつめること。
この試合に出られなかったレッズの選手が、反骨心をもって更に成長すること。
優勝というタイトル以外にも、多くのことがもたらされた試合だったと思う。
[試合ハイライト]
後日更新予定