誉田哲也氏の姫川玲子シリーズ3作目。
読み終わってからの感想、まず第一声としては、「なんか違う」という感じ。
私が求める展開ではなかったというところ。
このシリーズにおいては、主人公は姫川玲子であり、かつ第1作目で顕著になった、彼女を取り巻く周囲、特に同僚のやり取りが面白い。
つまり、彼女が事件の真相を究明すべく奔走する中で、いかに周囲の人間と協力したり、時には出し抜いたりしていくか、というところが個人的な注目ポイント。
本作においては、そういう所にフォーカスしなかったという点が、個人的には満足度が低い理由なのだろう。
井岡は登場したけど、ガンテツこと勝俣は登場しなかったし。
逆に、姫川の「刑事としての顔」だけでなく、「人間・女性としての顔」の部分も気になる人にとっては、彼女の人間臭い面も垣間見られて楽しめると思う。
事実、アマゾンのレビューではそういったところを評価している方々が多くいらっしゃって、総合的な評価は高かった。
1作目のストロベリーナイトのように、事件を本筋としてストーリーを楽しみたい場合は、次作の「ブルーマーダー」おすすめ。
殺害シーンの表現が少々エグいけど。