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【書籍レビュー】【ネタバレ有】「個人的には本家ホームズよりもこっち」三毛猫ホームズの推理

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小説を読むならミステリーもの、という個人的嗜好があり、長男が最近コナンにも興味を示し始めてきたことから、先般、シャーロック・ホームズの小説を購入したものの…。

 

イマイチ、昔すぎる小説ということと、外国人の著者ということで、翻訳された文章の読みにくさという問題から、イマイチ没入ができず。

 

途中で読むのをやめてしまい、次はどうしようかと探していると、同じくホームズ(しかし猫)の作品を発見。

 

猫が推理、という斬新な設定も手伝い、こっちを読むことに決めた。

 

結果から言えば、これが大正解。

 

著者である赤川次郎氏の文章は読みやすいし、登場人物もいい意味でクセがない。

 

以前読んだ「姫川玲子シリーズ」においては、登場人物が一癖も二癖もあるような人物だらけで、それを姫川がねじ伏せるというところが爽快だった。

 

↓姫川玲子シリーズのレビューはコチラ↓

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この三毛猫ホームズの登場人物は、そういったアクの強さは感じない。

 

主人公の片山は刑事でありながら、血を見ると貧血を起こしたり、女性恐怖症だったりと、姫川と違い逞しさは全くない。

 

同僚にしても、姫川シリーズのガンテツや井岡などの強烈な個性は(少なくとも1作目には)ない。

 

だが、三毛猫のホームズが推理(?)・主張(?)する手がかりを基に、片山が推理を展開し、事件を解決していく様は、想像するとほっこりし、姫川シリーズとは異なった清涼感を与えてくれる。

 

この「三毛猫ホームズシリーズ」は何と、1978年の刊行から現在も連載が続いているという超長編となっている。

 

今回、記念すべき第一作目で恐らく今後もレギュラー出演するであろう、片山と三毛猫のホームズの出会いが描かれた。

 

次回以降もこのコンビが事件解決に奔走するのを想像するのは、今から楽しみ。

 

惜しむらくは、今作のラストは色々と張り巡らせた伏線を急に回収した印象があるところ。

 

主題となっていた森崎殺害の犯人、女子大生連続殺人事件の犯人、売春グループのリーダー、片山の妹の晴美の不審な行動の真相、などなど。

 

ちょっと読者はついていけなかったところがあるかもしれないかな。