何度も頷きながら読み終えた。
久しぶりに非常に共感できる本に巡り会えた。
「静かな人の戦略書」。
今回はこちらの本についてのレビューとなる。
内向型と外向型とは?
この世界は、大雑把に2つのタイプの人間に分けることができる。
ひとつ目は外向型。
頭の回転が速く、行動も迅速。
朗らかな性格で魅力にあふれ、リーダーシップを発揮するタイプ。
総じて人づきあいもよく、顔も広い。
そしてもうひとつが、内向型。
外向型とは逆のタイプであり、おとなしく控えめ。
慎重に考えを巡らすことを好み、注目されるのは大の苦手。
多数の友人を作るのではなく、特定の人と深いつきあいをすることが好き。
そんな内向型の人間は、恐らく私を含め、外向型の人と自分を比較し、負い目や引け目を感じたことが少なからずあると思う。
そんな人にとって、この本は絶対に刺さる。
著者や、その関係者の内向型の人の思考やエピソードが盛りだくさんで、間違いなく共感しながら読める。
私も電車内であろうが、うんうん頷きながら読んでいたほどだ。
どんな本?
内向型の人向けの本であり、同タイプの人がそれからの人生で避けては通らないだろう恐怖のイベント(会議で発言を求められたり、スピーチをしたり、不特定多数の懇親会への出席だったり)にどう向き合うべきか、が惜しみなく披露されている。
本の冒頭に述べられているが、内向型・外向型、いずれのレッテルを自ら、または他人に貼られていようが、それ自体は瑣末なこと。
自分の個性は大切にしつつ、安全領域から一歩踏み出す(=内向型として社会でチャレンジする)ことで、自分の可能性を広がることが大切。
内向型だからといって、ネガティブに考える必要は全くないのだ。
内向型or外向型チェック
この本には、自分が内向型なのか、それとも外向型なのかを簡易チェックする質疑が設けられている。
内向型のチェックが外向型のチェックより3個以上多かったら、内向型の傾向が強いらしい。
私は10個以上も内向型のチェックが多かった。
紛うことなき内向型であった。
この本が言いたかったこと
さて、この本には先述のとおり、内向型が自分の可能性を広げるための手法が書かれている。
詳細は実際に読んでみてほしいが、大きく分けて2つのことを訴えているように思う。
その2つは、「無理して外向型のように振る舞わないこと」「準備に力を入れること」。
内向型には内向型の良さがある。
外向型のように振る舞いたい気持ちはあれど、無理をしては精神的に参ってしまうし、自分を見失って内向型ならではの長所も見失ってしまう。
欠点と思っていることは、長所の裏返しでもある。
即断しないことは、つぶさに深く考察すること。
大人しいことは、人の話をしっかり聴ける下地があるということ。
地道な作業が好きなことは、確認・検証に向いていること。
繰り返すが、内向型であることを悲観的に考える必要は全くない。
自分の強みを活かしながら、少しづつ可能性を広げていけばいいだけの話だ。
次に、準備について。
内向型は咄嗟の対応には苦慮する傾向にある。
会議で発言を求められることはビジネスでは代表的な場面だが、他にもデリバリーフードの注文やそれに限らない電話応対など。
それに対して必要なことが、しっかりと、準備を怠らないこと。
会場を下見したり、イメージトレーニングをしたり、出席者を確認したり、確認すべき点を洗い出して明確にしたり…とにかく事前に情報収集を行っておくこと。
それにより、咄嗟の対応が必要な瞬間を迎えた時、自身の立ち振る舞いを事前に想定することができ、いざというときにまごつかずに済むという訳だ。
もちろん、これまで私がここに書いたのはほんの一部に過ぎない。
自分が内向型だと考えている人には、是非とも読んでほしい。
この本がその人のバイブルとなってもおかしくないと思う。