こちらは日本国民の例に漏れず、ジブリアニメを好きな私が書店に並んでいるのをふと目にして思わず購入した書籍。
ジブリアニメを通じ、そこに出てくるモノやコト、ヒトなどを通じて作品が何を伝えたかったのかを考えるという構成。
哲学っていうとなんだか難しいイメージを持ってしまうけれど、アニメなので物語は勝手にどんどん進んでいき、深く考えることは難しい。
よって、著者も言っているようにある程度「感じる」ということを主眼にしている。
とは言え、あまりこれまでアニメを見ながら感じる・考えるということはしてこなかったように思う。
勧善懲悪…とは違うかもしれないが、最終的にハッピーエンドとなる結末に向けて(火垂るの墓は除き)、登場人物が繰り広げる物語をただただ楽しむだけだった。
だから、本著にあるような概念、例えばナウシカで頻発ワードの「風」とは何か?だったりだとか、ラピュタの「石」とは何か?だったりとかを、考えたこともなかったな。
ただそれは、各個人の楽しみ方であるし、私自身はこれまでこの楽しみ方でジブリアニメに触れてきたから、これはこれで問題ないと思う。
話を元に戻すと、じゃあ自分も本著に倣い、何か哲学的なことを考えてみようということになるのだけど、何にしようかなと。
既に本著で論じられている作品ではつまらないし…ということで、「猫の恩返し」にしよう。
猫の恩返しは、2002年公開の作品。
ごく普通の女子高生ハルが、1匹の猫を助けたことから、猫の世界に誘われるというストーリー。
さてこの作品で哲学することと言えば、やはり「猫」だろう。
ジブリ作品には、猫が多数…という訳ではないが、まぁまぁ出てくる笑
- ネコバス:となりのトトロ
- ジジ:魔女の宅急便
- バロン:猫の恩返し
- ムタ:猫の恩返し
言うまでもなく、猫の恩返しの登場キャラクターは猫が多い。
ただ、その作品によって、その性質はかなり異なる。
魔女の宅急便のジジは魔女のキキの相棒に近い立場にいる。
一方、トトロに登場するネコバスについては、身近な存在とは言えず、いわば霊のような存在。
猫の恩返しに登場する猫達は、猫の国に住んでおり、猫だけの世界で気ままに暮らしている。
つまり、猫はその作品ごとに形を変える、自由な存在として描かれているということになる。
現実世界でも、猫は自由だ。
家の中を我が物顔で闊歩し、自分のスペースを見つけたら飼い主に構わずどっかりと居座る。
かと思えば、ご飯が欲しかったり、ドアを開けてほしいかったりするときは、可愛い声で鳴いてねだる。
まるで、飼い主側を猫が操っているがのごとく。
猫は世渡り上手なのですね。
ということで、猫とは、自由の象徴というのが私の答え。
皆さんも、ジブリアニメを観るときは、哲学しながら観ると面白い…かも?