前回の記事では大学サッカー在籍中で、浦和レッズユースまで在籍した選手を特集。
今回は中学年代の浦和レッズジュニアユースまで在籍した選手をご紹介しようかと。
①菊池泰智選手:流経大2年
先般の天皇杯をご覧になった方には説明ご不要、浦和レッズ相手に一時同点となるゴールを奪った、菊地泰智選手。
菊地選手は浦和レッズジュニアユースから、千葉県の流通経済大学附属柏高校に進学。
高校3年時には高校選手権に出場し、初戦の大分西高校戦で2ゴールを奪う活躍を見せ、チームもその後順調に勝ち進み、決勝に進出。
しかし決勝では、下記の角田選手所属の前橋育英高校に敗れ、残念ながら準優勝の結果に。
大学はそのまま流通経済大学へ進学。
武藤選手と宇賀神選手の母校であり、その他にも山村和也選手・守田英正選手(共に川崎)らが所属していた名門校である。
菊地選手は現在2年生ながら登録メンバー30人入りし、これまでのリーグ戦全8試合に出場。
1ゴール2アシストの成績を残している。
身長は160㎝と非常に小柄ながら、先日の天皇杯では福島選手のニアをぶち抜く強烈なシュートをお見舞いされた。
Jリーガーにも、仲川輝人選手(横浜FM:161㎝)・中川寛人選手(湘南:155㎝)ら小柄な選手はいる。
彼らの共通点は、身長でのディスアドバンテージを何かしら別の武器で補っているということ。
仲川選手はドリブルとスピード・中川選手は献身性とボールコントロール技術だ。
菊地選手も何かしら自分の強みとなる個性を伸ばすことで、プロ入りの門は開かれるのではないだろうか。
余談だが、流通経済大学サッカー部は部員数が尋常ではないことで知られる。
ホームページで確認したところ、なんと部員数211名!!
ゴールキーパーだけで23名ですよ。
そんな膨大な部員の中から選抜され、関東大学サッカーリーグに出場しているだけでも凄い実力者であることが窺い知れる。
前回記事の大桃選手紹介でも書いたとおり、流通経済大学サッカー部も、膨大な部員に出場機会を与えるべく、Iリーグ・JFL・社会人リーグ等、様々なリーグにチームを所属させている。
気を抜いたプレーをしたら、きっとすぐに他のチームで活躍した選手と入れ替えさせられてしまうのだろう(実際は登録の関係上そうはいかないかもしれないが)から、もの凄い競争に毎日身を投じている彼を心から尊敬する。
②角田涼太朗選手:筑波大2年
角田選手は、浦和レッズジュニアユースから群馬県の前橋育英高校に進学し、現在は筑波大学に所属する2年生。
前橋育英高校3年時は、全国高校サッカー選手権大会を制覇し、同校に初めて優勝旗を持ち帰る偉業を成し遂げた。
前橋育英高校時にはJリーグからのオファーも届いていた模様だが、そのオファーには応じず、筑波大学への進学を決意。
筑波大学では1年生時から出場機会を確保。
17試合に出場し、新人賞を受賞と、大学サッカー生活は順調な滑り出しを見せている。
また、その活躍もあり、世代別代表へも選出されるなど、大学生での注目選手となりつつある。
ただ、その世代別代表も怪我で辞退し、リーグ戦も欠場が続くなど、怪我がちなところが玉に瑕か。
プレーは未見だが、ここで役に立つのが先般読了した、前橋育英高校サッカー部監督の山田耕介氏が手掛けた著書「前育主義」。
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この書籍の中で「角田選手から飯島選手(現法大)へのフィードで多くのチャンスを創出した」と書いてある。
つまり、ディフェンスながら正確なフィードを持ち、チャンス創出にも関与できるということが推察される。
また、角田選手は左利きだ。
貴重な左利きセンターバック(orサイドバック)として重宝されそうである。
そして上記書籍にもあるが、山田耕介氏の薫陶を受けているため、その考え方は彼の中にしっかりと残っているはず。
心と頭がサッカープレーヤーには何よりも大切であることを意識しながら、日々サッカーに取り組んでいるのであろう。
上記2選手は、争奪戦となることも考えられる。
強化部には、今からキャンプやトレーニングマッチ、トレーニングに呼んだり、場合によっては特別指定制度を活用するなど、他チームに先立ち動いてもらいたい。
昨今は、ジュニアユースに所属しており、例え実力としてはそのままユースに昇格しても何ら不思議ではないとしても、選手自らが進路を高体連に求めるケースが増えてきているように思う。
これには恐らく2つ理由があり、高校サッカー選手権への憧れというものが1つと、環境を変えて更なる成長を目論むというものが1つだ。
特に2つ目は、ジュニアユースからユースに昇格すると、周りのメンバーは多少の入れ替えはあれど、ある程度は見知った仲間とまたサッカーをすることになる。
変わらない環境でサッカーをやり続けることで、自身の危機感や刺激がなくなることが、成長の妨げとなるということを考えることもあるだろう。
また、実力がそこまで秀でていない場合は、むしろ環境を変えて成長を求めないと、自身の夢が現実化できるような実力に到達できないということもあるだろう。
Jユースと高体連にはそれぞれ違った良さがあるし、また大学には大学の良さがある。
自分に合った進路選択をすることで、夢は現実性を帯びてくるということだ。