1月2日・3日の箱根駅伝は、私も妻も大好き。
5歳の長男と2歳の次男を抑止するため、iPadとNintento Switchをフル活用して往路復路の観戦に成功。
血と汗と涙の襷渡しはいつ観てもいいものだと思う。
そこから本屋に寄ってふと店頭に並んでいたので読んでみたのがこちらの書籍。
主人公は中学生で陸上部に所属している桝井日向。
彼と陸上部部員、そして部員以外の生徒を集めて駅伝大会に出場するというもの。
読む前は主人公の桝井が四苦八苦して部メンバーを集め、そして彼らと練習を重ね、最終的には大会で活躍する物語という予想だった。
いざ読んでみると、これまで私が読んできた小説のように、主人公以外の視点で話が進む割合が多かった。
主人公の桝井はアンカーの6区を走ったが、それ以外の1区設楽・2区大田・3区ジロー・4区渡部・5区俊介視点での描写がそれぞれ均等ぐらい。
そして、物語開始時点では1区設楽⇔2区大田・3区ジロー⇔4区渡部・5区俊介⇔6区桝井という関係で、相手の真意を測りかねているが、練習を重ねたり、困難を乗り越えたりしていくうえで、相手と心が通じ合うようになる、というストーリー。
だから当初の予想とは結構外れていて、各登場人物に均等にスポットライトを当て、心の動きに重点を置いている。
相手が考えていることを見通すのは難しい。
誰しもが先入観というものを持って生活しているから、必要以上に相手を警戒してしまう。
あのイブラヒモビッチ選手も、バルセロナ所属時には自分に「先入観を持つな!」と自戒していた。
彼はそれでもバルセロナで上手くいかなかったけど。
でも彼らは駅伝競技というものを通じて、自分の心と向き合い、また相手の心と向き合えた。
そしてそのチームワークで、最後の大会では良い結果を残すことができた。
彼らが相手をどのように考えていたのか、そしてそれは最終的にどう変わっていくのかの変化が面白かった。
あと顧問の上原先生、彼女も当初の印象から読み終わったときにはガラリと評価が変わる人物。
頼りない顧問かと思ったら、意外と人の心を見通す能力はずば抜けていた。
空気が読めないというか、抜けているところはあるけれど。
陸上は素人だけど、彼女がいたから、この物語は成立したとも思える重要人物だと思った。
駅伝は、走っている際は完全に個人競技となるけど、自分以外にも襷を繋ぐのでチームスポーツでもあるところがいい。
観ていて楽しいし感動する。
私がサッカー部だったころは短距離しか走りたくなかったけどね。
しかし次回の箱根駅伝まで1年…長いなぁ笑