昨シーズン限りでの現役引退を発表した、小野伸二氏。
そんな彼の出自・経歴について知りたいと思い、読破。
基本情報
- タイトル:GIFTED
- 発行日:2023年11月29日
- 出版社:幻冬舎
- 著者:小野 伸二
内容
一言で表すと、「小野伸二氏の経歴書」。
彼の出自から、サッカーを始めたきっかけや、学生時代のプライベートな思い出。
プロ入り選択・移籍の選択、それらの背景。
引退の決断に至るまでなど。
私達があずかり知らない、小野伸二氏の想いや感情を知ることができる。
オススメする人
- 浦和レッズサポーター
- 清水エスパルスサポーター
- コンサドーレ札幌サポーター
- FC琉球サポーター
- 小野伸二氏のことが好きな人
小野伸二氏が所属したことのあるチームのサポーターの方々は言わずもがな。
小野伸二氏がどういった想いで、その移籍を決断するに至ったのかが窺い知れる。
またもちろん、過去所属チームのサポーターのみならず、他チームのサポーターでも彼のプレーを好きだという人も多いはず。
プロ入り前の彼の思い出も数多く語られており、小野伸二氏のことが好きな人は是非読んでいただきたい。
感想
天が小野伸二氏へ与えたのは、サッカーの才能ではない。
「純粋にサッカーを楽しめる心」である。
サッカーに対して恐怖を抱かない選手はいないと思う。
それが、プロであろうがアマチュアであろうが。
極論、サッカー選手でなくても同じこと。
サラリーマンにおいては仕事、主婦においては家事、学生においては勉強。
なぜならそこには、常に責任がつきまとうから。
アオアシの中村平というキャラクターは、「サッカーが恐怖の対象になった」と表現していた。
まさにその通りだと思う。
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自分のことに置き換えて考えてみよう。
私も中学生になり、部活動としてサッカーに向き合うようになってからは、純粋に楽しむだけではいられなかった。
部内にしろ部外にしろ、対戦相手と常に勝敗を決するタイミングが無数にある。
そしてそれにより多く勝つことを求められる。
だから、練習試合にしろ、公式戦にしろ、対戦相手が強いとの前評判の時は憂鬱になったし、試合前には極度の緊張に襲われた。
試合前に提出されたメンバー表を観て、〇〇U-18とか、〇〇ユースとか、高校サッカー強豪校の名前が並んでいたときは、ことさらゲンナリしていた。
練習にしたって、自分のプレーひとつひとつに責任がつきまとうため、特に下級生の時にAチームで練習させてもらうタイミングがあれば、それはまた不安でしょうがなかった。
スポーツ推薦もない、サッカー強豪校では全くない学校であったとしても。
チームスポーツである分、自身のプレーがチームの敗戦=チームメイトの敗戦に直結する可能性もはらんでいる。
私はサッカーもちろん大好きだし、楽しいと思う。
だが楽しいことである反面、責任やリスクがつきまとう。
大人になるにつれて、その「責任」「リスク」についてフォーカスし、理解できるようになるということなんだろう。
とてもじゃないけど、いつまでも少年のような心でサッカーを楽しむことはできなかった。
だから、小野伸二氏がサッカーを始めてから、引退のその瞬間まで、毎日サッカーを楽しめる気持ちを持てていたこと。
これこそが、彼のGIFTEDの正体なんだと、私は思ったよ。