期限付き移籍選手の契約満了に伴う退団の3人目は、福島春樹選手。
福島選手は愛知県出身の28歳。
高校はここ最近、選手権優勝など活躍目覚ましい、サッカー名門静岡学園高校。
その後は専修大学に進学、長澤選手(名古屋)・仲川選手(横浜FM)らと黄金期を築いた経歴を持つ。
福島選手の代は、1年生~3年生まで3連覇を経験している。
蛇足だが、仲川選手は入学から卒業までの4年間、関東大学サッカーリーグでは優勝しか知らないというトンデモ記録持ち。
そのくらい、このころの専修大学は強かった。
その専修大学において、1年生からレギュラーを張っていたのが、何を隠そう福島選手だった。
そんな逸材に目を付けたレッズは、福島選手が大学3年生時に早くも卒業後のレッズ内定を発表。
当時から現在の守護神、西川選手は在籍していたが、そんなチームに加入する気概を持った福島選手に非常に心躍った記憶があった。
だがやはり、プロの壁、いや西川選手の壁は厳しい。
なんせ当時は日本代表だった(かな?)わけだし、途中ガイナーレ鳥取への期限付き移籍を挟み、レッズに在籍していた5シーズンで、リーグ戦への出場はたったの1。
カップ戦を含んだ全公式戦でも、わずかに7試合に留まる。
ただ福島選手で特筆すべきなのは、その7試合の中の1試合に、なんとACL決勝が含まれていること。
西川選手が累積警告で出場停止になっていたことで、2ndGKの福島選手に出番が回ってきたのだ。
その試合では0-1で敗れたものの、福島選手は好セーブを連発し、最少失点差での敗戦にとどめた。
最終的に準優勝に終わったものの、福島選手の活躍があったから、ホームでのセカンドレグに希望を繋げられた、福島選手がレッズにおいて、最もチームに貢献した試合と言える。
とは言え、その出場試合数で彼自身が満足していたわけではないだろうし、近年は鈴木選手や石井選手(Y.S.C.C.横浜)の突き上げもあり、ベンチ外の試合も増えてきており、京都サンガFCへと期限付き移籍中だった。
ここで定位置を確保し、京都のJ1昇格に貢献してくれるだろう…と多くのレッズサポーターは思ったはず。
だが、京都はめでたくJ1昇格を果たしたものの、京都でもベンチ入りすら1試合も果たせずにシーズンが終了。
ACLでのあの活躍を観ているレッズサポーターからしてみれば、福島選手はきっとファーストチョイスになるだろうと思っていたが…。
むろん、期限付き移籍先で出場機会を得られなかったため、レッズへの復帰はならず。
いかんせん、レッズでも京都でもプレー観戦の機会が殆どないため、福島選手のプレーについては語りづらいが、ACL決勝ファーストレグで見せた、セービング能力に疑いの余地はない。
一方でGKとしてはあまり上背がないので、ハイボールの処理に難があるのか、もしくは別の理由があるのか…真相は監督のみぞ知る。
ただ、彼のコメントにもあるように、出場機会は少なかったかもしれないが、レッズでの6年間の経験を、これからの選手人生に活かしていってほしい。
福島選手のこれからに幸あれ。