ここ最近、ビジネス小説にハマっている。
理由は、仕事で会社の業績について把握し、判断しなければならない部署に配属されたから。
まぁ実際は、今の部署に配属される前から把握してなければいけないんだろうけど…。
決算書の読み方とか、損益計算書・貸借対照表の見方とか、社会人の基本なんだろうし。
その点、ビジネス小説は登場人物=読者という構図で話が進むため、読者にとって読みやすいところが良いよね。
この小説においては、読者側の登場人物は、石川県金沢市の倒産寸前の赤字書店。
経営に無知な女社長と、県内に6つある店舗の店長が読者側の立場。
講師となるのは、銀行から出向してきた鏑木。
ストーリーとしては、鏑木が情熱をもって会社再建のために女社長・店長6名に対して前述の決算書他の読み方、マーケティング・リーダーシップ・マネジメントにおける大切な考え方等を根気強くレクチャー。
当初は彼に対して懐疑的で敵意を抱く人もいたが、鏑木の熱意、会社を本気で良くしたいという想いに感化され、いつしか全員が同じ方向を向けるようになり、最終的には各店舗の改善目途が立つ、というもの。
前述の決算書の読み方もさることながら、マーケティングにおける考え方は初耳であることが多かった。
モノを売る仕事の方々は、いつもこんな風にターゲットをどうするかとか、強みと弱みは何なのかとか、常に考え続けなければならないのだろうか。
だとしたらかなり大変だなぁ…。
当たり前だけど、競合他社も同じことを考えて顧客を獲得しようとするわけで、イタチごっこのようになるんだろうか。
決算書・貸借対照表・損益計算書については、社長の黒木相手に鏑木がレクチャーするが、サンプルが掲載されており、読者もそれを参照しながら読めるため、理解をしながら読み進めることができる。
それだけではなく、例えば光熱水費の節約方法についても、電力会社との契約に基づきデマンドにより決定されることを踏まえ、設定温度や開始時間を変更する。
約束の時間に早く着きすぎても、約束した時間5分前程度までは待機しておく。
などなど、基礎知識がふんだんに散りばめられているし、こういう小説を社会人当初から読んでおけばよかったなぁと。
まだ他のビジネス小説と読み比べたわけではないが、ビジネスマンの基礎知識がふんだんに盛り込まれているため、最初に読む一冊とも言えるのでは。