興梠選手の終了間際の同点ゴールにより、何とか引き分けに持ち込んだ前節の鹿島戦から中3日。
ACLの影響があり、休養を十分に得られない中での試合となった。
また、もう8月ということもあり、既に日本は猛暑の真っ只中。
選手の疲労が心配になる季節となったが、選手一丸となり、また、選手層の底上げにも期待しながら乗り越えていってほしいところ。
■雑感
【公式】ハイライト:浦和レッズvs名古屋グランパス 明治安田生命J1リーグ 第21節 2019/8/4
試合は開始早々出鼻をくじかれる。
コーナーキックの流れから左サイドを前田選手にぶち抜かれ、クロスを和泉選手に合わされて失点。
青木選手が対応していたが、前田選手のまたぎフェイントに成す術なく、この時点で勝負あった。
その後も相手に度々危険なシーンを作られつつも何とか持ちこたえていたが、前半半ばに今度は右サイド、岩波選手の裏のスペースを狙われ、クロスを逆サイドの前田選手に合わせられ追加点。
後半こそ鳴りを潜めたが、前半は前田選手を自由にさせすぎたことが、この2失点、またそれ以外のピンチを招いた原因。
その後もジョー選手との1対1のピンチを西川選手のセーブで首の皮一枚繋げるなど、どうにもこうにも守備が安定せず。
名古屋ご自慢のパスワークに翻弄されていた時間が殆どだった。
しかし前半終了間際、相手陣内深い位置で関根選手が吉田選手からボールをカットすると、武藤選手のシュートのこぼれを関根選手が拾い、相手守備陣の背後を取った武藤選手へ絶妙のスルーパス。
これを武藤選手が中央へ折り返し、相手マークを外し、どフリーとなっていた興梠選手の今シーズン9点目で一矢報いて前半終了。
この1点は返す返すも大きかった。
前半の試合内容を振り返ると、浦和が好機を演出したシーンは僅かで、殆ど名古屋に主導権を握られていた。
それでも前半終了間際に1点差に詰め寄ったことで、精神的にも余裕が出てきたはず。
後半は一転して浦和がボールを保持する時間が長くなるが、相手守備陣を脅かすシーンを中々作り出せず。
大槻監督も選手交代で状況打開を図るべく、山中選手、長澤選手、杉本選手を投入し、何としてでも得点を狙う。
そしてそれが結実したのは後半アディショナルタイム。
リスタートの流れから左サイドの山中選手がクロス。
中央に入り込んでいた関根選手のスタンディングヘッドが決まり、前節に引き続き試合終盤で同点に追いつくことに成功。
その後、杉本選手の抜け出しから逆転弾の絶好機を迎えるも、得点を奪うには至らず引き分けで試合終了。
正直、前半半ばで2失点した時は、試合内容も相まってこれは今日は無理かも…と思った。
しかし選手・監督が2点差は危険なスコアであることを(逆転には至らなかったが)証明してくれた。
[スタメン]
ボランチには前節出場停止の柴戸選手を青木選手と共に起用。
前線3枚は興梠選手・武藤選手・ファブリシオ選手という顔ぶれに。
前節から中3日ということではあるが、選手の入れ替えはエヴェルトン選手⇒柴戸選手、長澤選手⇒ファブリシオ選手、マウリシオ選手⇒鈴木選手と3枚。
対する名古屋は休養十分だったため、追いかける展開は避けたいところだったはずだが、開始早々にそのプランが崩れたのは大きな問題点。
[チャンスビルディングポイント:チーム]
スコアが表している通り、ほぼほぼ互角の印象。
攻撃がこれまでの平均を大きく上回っているのは良いと言えば良いが、実際は名古屋の守備がちょっと…という印象もある。
ドリブルポイントも中々改善とまではいかない。
どうにも相手チームの選手のドリブルの方が際立っている。
先日の鳥栖戦では小野選手にやられまくったし、この試合も前田選手や和泉選手にサイドからどんどん切り込まれた。
サイドの攻防で劣勢を強いられると厳しいものがあるので、特にWBの選手は対面相手に負けないようにしないと、これからの試合も苦労することになりそう。
[チャンスビルディングポイント:個人]
攻撃でのチームトップは青木選手。
ふと気がついたのは、攻撃ポイントでは中盤の選手がトップになりやすい。
というのも、クロスとドリブルポイントは中々稼ぎづらいので、ポイントを稼ぎやすいパスの上位が攻撃ポイントの上位になる傾向がある。
パスポイントが高いのは、必然的にパスを出す回数が多い中盤の選手となる、ということ。
前回記事にした磐田戦もパスポイントが高かった長澤選手が攻撃トップだった。
ドリブルポイント、関根選手は相変わらず低い。
この試合では、そもそも仕掛けられるシーンが少なかった。
例えば右に相手を寄せておいて、一気にサイドチェンジすると、関根選手にスペースがある状態でボールを保持させられるため、スピードアップしてドリブルで切り込める。
しかし、この試合ではパス回しが各駅停車だったので、関根選手が後ろ向きでボールを受ける回数が多く、効果的に仕掛けられなかった。
彼が前を向いた時の破壊力は、アディショナルタイムのドリブルでも実証済。
チームとして、彼をより活かす方法を考えるべきかな。
データ引用元:Football LAB