◾️国籍問題
例えば2つの国にルーツを持っており、どちらの国の代表選手になるかという問題は、日本にはあまりないように思う。
そもそも島国だから、他国と陸続きに繋がっている訳ではない環境。
また、国民性としても、国籍とか人種には差別的な事件が少ない。
という印象(統計取った訳じゃないけど)。
だから、本著でエジル選手が語っている、ドイツを選ぶかトルコを選ぶかという問題についても、日本であればあんまり問題視はされなかったんじゃないか。
ただどちらを選択しようが、本人の自由なのだから、周囲の人々は受け入れる以外にないと思うんだけど…。
自分のルーツに誇りを持っていると、そう簡単ではないのかも。
これを国でなく、サッカーチームに例えてみる。
将来有望な選手がおり、オファーを出したチームの中から2チームに絞った。
そして最後に、自分の応援するチームでない方を選んだ。
…確かに、某掲示板だとその後に「いらん」って書き込みが増えるから…それが表立っているかそうでないかな違いなのかもしれない。
◾️ジョゼ・モウリーニョ監督とジョゼップ・グアルディオラ監督
エジル選手はジョゼ・モウリーニョ氏(元トッテナム監督)を慕っている。
書籍の冒頭、わざわざエジル選手がレアル・マドリードに在籍していた時に、モウリーニョ氏から受けた叱責事件を持ってきていることからも伺える。
イブラヒモビッチ選手も、冒頭にグアルディオラしへの暴言事件を持ってきていたけど、あれは完全にネガティブなもの。
本著でエジル選手は、モウリーニョ氏への全幅の信頼を綴っている。
同氏に師事した選手は皆、心酔に近い感情を抱いている。
それは同氏が、選手に対して正直に接することに起因しているようだ。
またそんな同氏が、人情味のある人物として描かれることが多いのに対して、グアルディオラ氏は、酷薄に描かれることが多い。
今回は、エジル選手に対して、本気で獲得したがっていたのか不明瞭な部分があるけど。
複数の選手から同様に評価されているということは、あながちそれは間違いではないのかもね。
また他にも、選手では、セルヒオ・ラモス選手がナイスガイだとか、クリスティアーノ・ロナウド選手が超絶ストイックだとか、ダビド・ビジャ選手の小狡い一面も。
本人以外の、かつ有名な選手の側面も色々と知れて面白かった。
◾️翻訳
前回読破の、「アントワーヌ・グリエーズマン自伝」と異なり、少々意味を把握しづらい文はなく、スラスラと読み進められた。
これまであまり意識したことはなかったけど、今回がストレスなく、内容が頭にすんなり入ってきたことで得られた新たな気づき。
翻訳大事。