和製コルドバが追いかける、赤き血のイレブン達。

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【書籍レビュー】【ネタバレ有】「まさしくユーモア・ミステリー」三毛猫ホームズの狂死曲

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三毛猫ホームズ4作目。

 

今回は、権威あるヴァイオリン・コンクールの決勝に進んだ7人の男女に降りかかる、殺人・自殺未遂・天災に、おなじみ片山とホームズが立ち向かう。

 

舞台も、ミステリーものよろしく、東京郊外の別荘に7日間、外部との連絡を絶たれたうえで閉じ込められる、いわばクローズドサークル。

 

そこで、殺人やら自殺未遂やらが発生するわけなので、本来は戦々恐々とする雰囲気が漂うはずなんだけど…。

 

そうはならないのが、この三毛猫ホームズシリーズのいいところ。

 

やはり片山は女性に弱く、刑事とは思えない貧弱さ笑

 

参加者の喧嘩を仲裁しようとして逆に自分がノックアウトされたり、盗聴器を仕掛けた犯人を見張っていたのに居眠りをして、目覚めた後に頭をぶつけて気絶したり。

 

ただ今回は、コンクール参加者の桜井マリと、良い感じに進展。

 

過去作にあったように、彼女が今回の事件に加担していたわけではなかったし、彼女を抱こうと覚悟を決めるなど、いつもの片山らしからぬ展開に(結局抱くことはなかったけど)。

 

これから先、まだまだ沢山のシリーズが発刊されているけど、きっと片山が幸せになる未来はないんだろうな…笑

 

ホームズも、相変わらずの推理力と、人間の言葉を理解しているかのような(理解しているという設定だと思うけど)合いの手(ならぬ合いの鳴き声)を入れて、その場を和ますことに一役買っている。

 

勿論、ミステリー小説なので、殺人事件に対する推理も面白いんだけど、書籍紹介に「ユーモア・ミステリー」と記載されているように、単なるミステリーにとどまらず、片山・ホームズや晴美、石津などの掛け合いが本当に面白い。

 

正直なところ、推理よりも、彼らのやり取りを楽しんでいる自分がいるなぁ。